イロドリ通信
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- 2020.09.28
- コンサルタントvoice
M&Aにおけるブライダル業界の特徴
ブライダル業界でなかなかM&Aが一般化されない理由はいくつかありますが、特に昭和の時代のM&Aのイメージが悪影響を及ぼしています。
確かに当時M&Aは、身売りや従業員への裏切りといった、会社を見知らぬ第三者に売払ってしまい、オーナーだけが一時金を手にするというパターンも多く見られました。
そのため、「会社を人手に渡すことなく、家族同様の従業員を自分の責任で少しでも長く安心して収入を得られるようにしてあげたい」という想いが強いオーナーにとって、人道的にM&Aは良くないものとみなされてきたという経緯があります。
オーナー会社の割合が高いブライダル業界、特にM&Aによる事業承継が近隣で盛んではない地方都市においては、今でもM&Aに対して負のイメージを待たれているオーナーは少なくありません。
会社や事業の譲渡という経験は、人生の中で何度もあるものではないこともあり数ある選択肢に中では、どうしても優先度が後回しになりがちです。
特にブライダル業界は長期の予約が通常のため、従業員の継続雇用といった一般的な問題だけでなく、先々のお客様に対しても約束したサービスを提供する責任があり、経営体制の変更が伴うM&Aの検討にはどうしても踏み出しづらいという業界独自の事情もあります。
また、リピート性のない、つまりお得意先のないビジネスのため「会社が人手に渡るかもしれない」といった噂が流れると、お客様がたちまちライバル社へ流れてしまうリスクもあると思われがちです。
しかし、現在のM&Aは、友好的、即ちwin-winのパターンが大半となっていて、前述の昭和の時代の問題点が実は全く正反対に解消されるケースがほとんどなのです。
理由の一つには、【信頼できる仲介会社の存在】が大きな違いとなり、友好的な引継ぎ先を紹介することが可能になってきたことが挙げられます。
友好的なM&Aを行われた方は以下のようなメリットを挙げています。
・従業員の雇用条件を引き下げることなく、むしろ役職や報酬、福利厚生が充実した
・顧客からの信用が高まり、顧客も安心して結婚式を挙げることができた
・十分な運転資金と先行投資資金が確保できた
友好的なM&Aに重要なのは、売手と買手が平等な立場で譲渡条件を交渉できることです。
気になる情報漏洩のリスクについては、万一経営情報が漏れた場合の責任と補償を明確にするために、多くの仲介会社が、秘密保持契約書を締結してから社内事情を相談するという手順のため、ライバルや関係者に情報が漏れることを防ぐことができます。
マルチ型(業界非特化)の仲介会社は、最悪、ブライダル業界と関わり合いを避けるだけで済む可能性はありますが、特に業界に特化した仲介会社では、万一情報漏洩などが起こった場合、現在の既存顧客だけでなく潜在顧客からの低評価にも繋がるため、情報漏洩には最大限重きを置いて対応するという特徴があります。