• 2021.08.31
  • コンサルタントvoice

コロナ禍収束を見据えた最近のM&A案件増加傾向と今後の考察

 

新型コロナによるビジネスへの影響が出はじめてから既に1年半が経過しようとしています。


以前のコラム【コロナ禍の長引く中でのブライダル業界M&Aの見通し】では、「今回のコロナ禍が一段落した場面で、各社とも今後の収益状況がある程度予測できるようになり、その際に、足下の状況と併せて長期的な見通しを元に、M&Aを通じた会社や事業の譲渡を現実的な選択肢として、実際に相手先探しを開始することが想定されていたものの、これがコロナ禍の長期化により後ろ倒しとなってきた」と書かせていただきましたが、今夏に入ってやっとブライダル業界のM&A案件が動き始めました。

 

この背景は、日本でもワクチン接種率が高まり、世の中的にも経済活動がコロナ禍前の状況により近づくとの認識が浸透し、そのスケジュール感が見えてきたことにあります。

 

体力のある会社や資金力のあるスポンサーをもった会社が、近く訪れるであろう業界再編の勝ち組になるべく、コロナ禍後に収益力の回復が見込める案件を優先的に検討し始めています。

 

今後、変異株によるコロナ感染の再拡大やワクチンの効果が薄れるといった不測の事態が起こらず順調にコロナ禍の収束が進めば、より多くの譲渡案件がマーケットに出てきて、より多くの買手候補による優良案件の争奪戦になることが予想されます。

 

一方、コロナ禍が収まった後収益の見込みと債務のバランスが取りにくい案件は、買手の優先検討順位は下がらざるを得ませんが、前述のような優良案件については、迅速に社内決裁が可能な買手候補が、買収を成約させるのにより有利となるでしょう。